WINDING ROAD

在宅介護という名の過酷にして壮絶な終わりなき戦いの日々 そこに自分の発病という新たな局面が 荒野に俺は一人だけ(笑)
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墨◯徒然5 完

婆様のお友達には、婆様は勿論のこと、爺様やPOTEのことまで親身になって心配して下さって、度々お電話で励まして頂いたのだけれど、

転院先を第三志望まで絞って調整中だとお話しした際、

第一志望の東京R病院は、ご主人が大変世話になったとか、自分も骨折してそこに入院したことがあるけれど、凄く良い病院だという話を聞くに付け、

東京R病院に決まると良いな~。

でも、津田沼や谷津でも、そちらになれば私はちょっと遠くなるけど、代わりに義姉上は30分以内で行けるようになるから、今よりずっと気軽に頻繁に面会出来るようになる。

私一人で爺婆両方見るのはやっぱりしんどい時もあるし、婆様は義姉上、爺様は(仕様がないから)POTEがというように、はっきり分業してしまうのも一手かもしれない。

などとつらつら考えておりましたら、丁度病室にいる時に携帯電話が鳴り、焦って携帯使用許可スペースに駆け込んで(病室内では携帯使ってはいけません。使ってると、看護師さんに怒られます)電話に出たら、

温水係長(仮名)「…受け入れ先の病院と転院の日にちが決定しました…」

は、はいっ!

温水係長(仮名)「…東京R病院で、転院日は1月27日(水)です…」

この時、やった!という快哉と、ということは今後もワタシがキーパーソンかぁ…という微妙な嘆息がないまぜになった想いと、ちょっと待て、27日って言ったらもうあと4~5日しか無いじゃないか、うわ、時間ねえー!という本性丸出しの本音が錯綜し、それでも、そんなPOTEの葛藤など知る由もない温水係長(仮名)は淡々と話を続け、

温水係長(仮名)「…今日明日中に、R病院の方から入院に必要な書類が自宅に郵送されると思います…」

え、えーと、それで、ワタクシはこの後何をすればよろしいんでしょうか?

温水係長(仮名)「…入院申込書とかが入ってると思いますから、それに記入して頂ければ良いとお思います…転院の際は自家用車になりますか?それともタクシー利用されますか?」

うちは主人しか運転出来ませんし、平日で、主人は仕事休めませんから(後で確認したら、休めないどころか二泊三日の出張とバッティングしてた)、タクシーでの転院になります。

温水係長(仮名)「…でしたら、介護タクシーを利用された方がよろしいですね…」

ああ、ドライバーさんがヘルパー資格持ってらっしゃるんですよね。

温水係長(仮名)「…どこかご希望のタクシーはありますか…」

いえ、そういうタクシーがあるというのは知っていますが、利用したことはありません。
(ホントは1年前、爺様の退院の際利用しようと思って、ケアマネさんに幾つか業者ピックアップしてもらってたのに)
(爺様、退院許可の出た、その日の夕方に普通のタクシーで退院しちゃって)
(おかげで、荷物搬出が間に合わなくて、ワタシ、チャリで更に病院と自宅二往復するという嫁殺しの重労働を課せられる羽目になりますた…)
(お暇な方は爺様入院騒動 恐怖の三往復→をお読み下されい)

温水係長(仮名)「…でしたら、介護タクシーは私の方で手配させて頂きます…」

あ、ありがとうございますー!

温水係長(仮名)「…車椅子とストレッチャーがあるんですが、どちらがよろしいですか…?」

それは、正直私には分かりません。今でもなるべく車椅子に座っているようにして頂いてるようですけれど、移動時間に耐えられるのかどうか、主治医の先生にお伺いした方が良いでしょうか。

温水係長(仮名)「…主治医はどなたでしたっけ…」

ウォンビン先生(仮名・れっきとした日本人)です。

温水係長(仮名)「…では、私の方でウォンビン先生に確認して、どちらにするか決めさせて頂きます…」

よろしくお願い致します。

で、電話を切り、病室に戻ると、

婆様の弟の奥さん、I川のおばさんがお見舞いに来て下さっており、転院先と日にちが決まったことを告げると、

婆様はちょっと心配そうに表情を曇らせたが、I川のおばさん曰く、

I川「良かったじゃないの、お姉さん。これからはリハビリ中心にしてもらって、頑張って身体動かすようにしていかなきゃ」

婆様「でも、ちょっと急ねえ。それまで、何すれば良いのかしら」

POTE「準備は万事私の方で進めさせてもらいます。移動も、介護タクシーお願いしました。ストレッチャーにするか車椅子にするか、ウォンビン先生に判断して頂くことになってます。当日、お姑さんはここ(病室)で待ってるだけで、何にも心配要りません」

忙しくなりそうだ。

墨◯徒然4

爺様は60代に胃がんで胃を半分以上切除して、その後、膵臓を悪くして入院して、転倒して大腿骨骨折してボルト埋めて、一番最近は去年の、うちの玄関先は三途の川か?と思わず思った骨盤骨折だったりするくらい、

とにかく入院体験が豊富な人なのに対し、

婆様という人はお産の時しか入院したことが無い人で、

かかりつけの内科医の待合いなんかで、たまたま隣に居合わせた人と気軽くおしゃべりして、その人が滔々と語るには、急に具合が悪くなって緊急入院したら、そこの病院がとんでもなく酷いところで、看護師にベッドに縛り付けられ、娘が来るまで解いてもらえなかったとかいう話を鵜呑みにして、
(いや、それ、病院側には病院側の言い分がどっさりあると思いますけどねー。確かに拘束は安易にしてはいけないと思うけど、他にも患者さんがいるんだから、一人の患者に付きっきりでいるわけにはいかないし、患者本人の安全の為、やむを得ず拘束せざるを得ない場合が殆どだと思うけど)

お行儀の良い患者でないと看護師に酷い目に会わされる、みたいな恐怖心が根強かったみたいだけど、

実際自分が救急搬送されて、入院初日の夜、自分が何処に居るのか分からず、混乱して、夜通しPOTEを必死で呼んで、その都度、看護師さんにここは病院ですよと宥められたり、

入院病棟に移されてからも、始めのうちは昼夜の区別がつかず、不安から深夜に声を上げて、当直の看護師さんが駆けつけてくれたことは何度もあったらしい。

そのうち、容態の安定と共に婆様は落ち着いてきたものの、他の病室からは昼夜を分たず、奇声というか、呻くような声をひっきりなしに上げ続けている人が居たり、同室の人達も、認知症や耳が遠い高齢者の人だと、深夜から明方にかけて、皆、病院に居ることが分からなくなるらしく、娘を呼んだり、ご主人を呼んだり、一人で歩ける人はベッドから降りて病室を歩き回ったり、中にはベッドから落ちて床にうずくまったまま、何やら聞き取れない言葉を発したりして怖いので、その都度婆様がナースコール押して、看護師さん呼んであげたりしてたらしい。

婆様「看護師さんって、大変ねえ」

婆様は入院直後からオムツだったのだけれど、鼻腔経管の流動食からお粥食に変わった後、便意を催した婆様がウン◯が固くて苦しんでたら、担当看護師さんが摘便してくれて、何とか排便出来たとか。

その後も、看護師さんが腸マッサージしてくれて、まだここにウン◯がある、ここにもあると、なるべくウン◯がすんなり出るよう世話してくれて、

何だか出そうだということになって、出来たらベッドでオムツにするんじゃなくてトイレに行きたいとお願いすると、快く車椅子で患者用トイレに連れて行ってくれて、奮闘すること30分、その間、看護師さんはずっと付き添っていてくれて(目離すとマヒのある左側に倒れちゃうし)、その甲斐あって婆様はすっきりさっぱり出すことが出来たそうな。
(時間かかったので、その後は疲れてぐったりだったみたいだけど)

それでも、そんな風に時間をかけて付き添ってくれることは稀で、重篤な新患さんが入ったりすると、どうしてもそちらに係っきりになるので、誰も病室に巡回に来なかったり、ナースコール押しても「お待ちくださーい」と言われて、そのまま待ちぼうけになることも珍しくはなかったらしい。

まー、どっかで菓子つまんでくっちゃべってる訳じゃなし、廊下ですれ違う看護師さん達は皆、小走りで、ぜいぜい息を切らして、ある病室では混乱して暴れている患者さんを落ち着かせようと何度も呼びかけたり、細菌兵器防護服みたいな格好で患者さんの排便処理してたり、誰もが手一杯でやっているのが明白なんだから、仕方ないっつーか。

僭越ながら、私も爺様の介護で、おシモの清拭やらやってますけど、摘便と痰吸引だけはまだ未経験。
摘便は忌避感の克服が課題だし、吸引はそもそも道具が無いし、でも、あれ、やられている時の患者さんの顔ってすごく苦しそうなんですよね…実父のこととか思い出しちゃって、ダメっぽいんだよなー。

それ、日常的にやってるんだから、看護師さんって、やっぱり偉いと思う。

で、入院生活も20日目に入ったある日、婆様の病室で顔を拭いてあげてる最中に、携帯が鳴り、慌てて携帯通話可の場所へ駆け込む。

受話器の向こうから聞こえて来たのは、温水係長(仮名)のおっとりとした声。

温水「受け入れ先の病院が決まりました」

おお!

続く。

墨◯徒然2

入院2週目には栄養点滴から、鼻腔栄養チューブになる。

スタバのロングサイズみたいな容器が天井から吊るされ、マッ◯シェイクそっくりの流動食が点滴同様ぽたぽたと落とされるんだけど、

こーれが、すぐ詰まる。

そんなにハイペースで落として、婆様がむせたら一大事なんだけど、ぽと、ぽと、ぽと、…ぽたん…ぽたん……ぽた…ん…ぽた……ん……しーん…(ヲーイ!)

という調子で、その都度ナースコールして、「流動食止ってまーす」と言うと、手が空いてる看護師が走って来て、点滴の調節をしてくれるんだけど、

あんまりにもしょっちゅう詰まるもんだから、もーいちいちナースコールするのも面倒で、それに、他の部屋の患者さんで手一杯の時は呼んでもなかなか来てくれないもんだから、内緒でPOTEが点滴調節とかしてました。

だって、ダイヤルみたいなの回して、ぽたぽた落ちる早さ調節するだけだし。

でも、婆様はこれが苦手で(決して美味しいもんじゃないからね)、家から果物切って持って来てとか、新鮮なキュウリに塩まぶして齧りたいとか、冷たいお茶が飲みたいとか訴えられ、

もうちょっとね、誤飲の心配が完全になくなったら、好きなだけ食べられるからと宥めるばかりの日が続き、3週目に漸く鼻腔経管が外され、全粥食になる。

お粥というより重湯みたいな代物だったけれど、鼻のチューブが取れただけでも、婆様の表情はかなりはっきりして来た。

検査の移動の時だけ車椅子に乗っていたのが、少しずつ車椅子の上で過ごすようになり、リハビリも開始。

プラカップを持ち上げて積んだり、字を書いたり。

連休中はEVホールにボランティアの獅子舞が来て、看護師が車椅子で連れて行ってくれたので、婆様も頭と左半身をかぷかぷ厄除けしてもらったとか。

一方、POTEは婆様の主治医ウォンビン先生(仮名)に呼ばれ、今後は専門病院でのリハビリが治療の中心になる、転院先については医療相談室が担当すると説明され、言われるままに医療相談室へ。

窓口に行き、神経内科のウォンビン先生(仮名)からこちらで面接するように言われて参りましたPOTE村ですと名乗ると、

奥から出て来てくれたのは、何とも地味な係長さんだった。

ほら、タッキーのやってる保険のCMで、第一でナイトの代役で「フー!」とか言って舞台で踊ってるあの俳優さんにどことなく似とる。

…温水(ぬくみず)?この時点で係長氏は温水(仮名)に決定。

で、温水係長(仮名)との面談はどうなるか。

続く。

墨◯徒然1

ブログ記事では入院したばかりなのに、実際には既にリハビリ専門病院に転院してしまいました。

ちょっくらアクセル踏んで、急ぎ墨◯入院中のあれこれを書き、なるべく近々にタイムラグを解消出来るよう頑張ります。

で、墨◯入院一週目。

婆様は両手にミトン手袋、腕には生食(生理食塩水)と栄養剤の点滴、胸には心電図のパッド、足指に心拍数計測する器具、尿管が付けられた状態で、くったり力なく横たわったまま。

それでも、当初は看護師詰所の真ん前だった病室が、三日目に病院行ったら、詰所から大分離れた部屋に移動されてて、どうやらヤマは越えたらしいとちょっと安堵。

入院四日目に、それまで留守番で我慢してた爺様が、自分も病院に見舞いに行くと宣言。

ホントはまだ見せられた姿じゃなかったけれど、頑として病院に行くと言い張るので(行くったって一人じゃ行けないんですけどね)、ここらで現実を見てもらった方が良いかもしれないというダンナの判断で、

その翌日、ダンナが休みの日曜に、車椅子積んで家族揃って病院へ。

POTE「まだあんまり具合良くないですから、あちこち色んな管で繋がってますけど、吃驚しないで下さいね」

と、再三念を押していたにもかかわらず、いざ病室へ入り、それでも、その頃には随分意識もハッキリしていて、滑舌が悪いなりに言葉も発していた婆様だけれど、

如何にも病人然と、力なくベッドに横たわった婆様の姿に、爺様は言葉も無く、呆然としているので、車椅子をベッドサイドに寄せ、爺様の手と婆様の手を取って重ね、

POTE「ほら、お爺ちゃん、何か言ってあげて下さい」
爺様「……」(愕然として言葉も出ない)
婆様「お父さん、ちゃんとご飯食べてる?」
POTE「お爺ちゃん、ちゃんとご飯食べてるかって、お婆ちゃんに心配されてますよ」
爺様「…何言ってるか、分かんないよ」

しょーがねーなー、男って。

爺様「こんな(姿)になっちまって、これじゃあ家に帰って来れないじゃないか」
POTE「すぐには無理ですけどね。少しずつ、時間をかけて、お家に帰れるよう頑張るんですよ。お爺ちゃんもデイサービスで、身体が利かなくてヘルパーさん達に食事させてもらったり、着替えさせてもらってる他の利用者さんを見ておられるでしょう。皆さん、頑張って、動かない身体でも健康体操とか一緒になさってますでしょう」

いつまでも二人の手を握らせたままだと、他のことが出来ないので、ベッドの反対側に回り、所在なげにベッドの足元に立っていたダンナからでかバッグを受け取って、バスタオル、パジャマ、靴下を収納棚に収め、

乾燥で婆様の顔がぱりぱりしてたので、持参した化粧水と乳液で簡単におめかしして、なみだ目薬点眼して、寝たきりなので肩と腰が痛むと言うので撫で擦り、

あれこれ世話してたら、爺様がしみじみと、

爺様「POTEちゃん、大変だ…そんなことまでするのか…」

今頃お気づきですかい。ま、いいんだけどね。
(そんなことまでって、家じゃアナタのオムツ交換して、おシモ拭いて、電動歯ブラシで歯磨きさせて、目薬差して、飲み薬用意して、着替えだって手伝ってるじゃないすか)

爺様も衝撃の現実を目の当たりにして(どーも、そこまで具合が悪いと思ってなかったらしい。脳梗塞だって言ってんのにー。下手すりゃ今頃葬式だったかもしれないんだからー)、ぐったり疲れた様子なので、30分程度で面会を切り上げ帰宅。

その後、爺様の意気消沈ぶり甚だしく、ウサギじゃないけど、寂しくて死んじゃったらどうしようというくらい悄然としてしまって、

火・金の通所介護の職員さん宛てに、こう言う事情で婆様が不在になってしまったので、何とか気持ちを盛り立ててやって欲しいとお願いする。

本来は爺様の健康状態や施設への要望を書く連絡帳が、その後、殆ど婆様の経過報告となってしまったが、

爺様が通所介護利用を始めて4年、すっかり馴染みになったヘルパーさん達が皆さん大変心配して下さり、特にPOTEに対し、「無理しないで下さい」「頑張り過ぎちゃダメですよ」「手が抜けるところはどんどん抜きましょう」「出来ることがあれば何でも協力しますから」「何でも相談して下さい」等々、

本当に身に余る温かい応援と励ましの言葉をたーくさん頂き、一人じゃないんだ、俺にゃーつおーい味方がいっぱいおるのじゃあ!という余裕と冷静さを保ちつつ、いっぱいいっぱいではあったけれど、パニックにならずに今回の事案に対応することが出来たのは、ひとえに皆様の応援あってのことでありました。

この場を借りて、心より御礼申し上げます。

有り難うございました。

そして、このブログを覗きに来て下さっている皆様、心温まるコメントを下さった方、拍手ポチを押して下さった方、カウンターを回して下さった方。

言葉があってもなくても、皆様の残して下さった足跡が、POTEの勇気であり、慰めであり、励みでありました。

本当に、本当に、有り難うございました。

墨◯徒然2 に続く




飛行機雲

思いっきり爆睡した翌朝、かなり体力回復していたので、義姉上に電話し、昨日は絶対無理だと思ったけど、今朝になったら行けそうなので、一緒に病院に行きますと申し出、

爺様との昼食の後、義姉上が一度家に来て下さって、その後二人でバスで病院へ。

10分程度で病院最寄りの停留所で下車。
病院入口に向かいながら、
POTE「手前の入口が診療入口で、奥の入口が入院病棟入口なんですけど、寒いから手前から入りましょう」

診察待合室を横切り、自販機の立ち並ぶ中央通路から入院病棟に入り、受付係の居るカウンターで、入場時間、面会者名(代表者)、人数、病室、患者名を記入、

面会者バッチを受け取り、EVで13Fへ。

ナースステーション前の病室で、昨日同様婆様はごついモニターに囲まれ、あっちこっち管で繋がれ、両手はミトン手袋をはめられていた。

義姉上「お母さん、来たよ」

義姉上の呼びかけにうっすらと目を開け、
婆様「ああ、Y子、良かった…」
義姉上「大変だったねえ」

と、しんみりと母娘対面がなされている脇で、嫁は無粋にがさがさごそごそと追加の着替え、おむつ、タオル、靴下等々をバッグから出しては収納棚に詰めていく。

看護師が来て「御家族の方ですか?」
義姉上、POTE「はい、お世話になります」
看護師「これからちょっとMRIの検査に行きますので、談話室の方でお待ち頂けますか」

へえへえと談話室に向かい、お爺ちゃん一人にしておくと心配だから、POTEちゃんはもう帰ってもいいわよと義姉上に言われ、そうすか、それじゃお先に失礼しますと上着に袖を通しながら、

POTE「時々病室覗きにいった方が良いですよ。検査から帰って来ても、検査終わりましたって、いちいち家族に知らせてくれませんから」
義姉上「そうなの?」
POTE「おとといから、ずーっと色んな部署で放ったらかしにされたんで、もー、ここはそういう所だと思うしかないみたいです」
義姉上「そうなんだー。それと、夕方、またそちらに寄ろうと思うんだけど」
(は?いえ、別に来て下さらなくてもよござんすけど)
義姉上「バスはどこから、何行きに乗ればいいの?」
POTE「さっき降りて来たバス停の反対側に乗り場があります。行き先表示が『にしき25』か『にしき28』のバスに乗って下さい。それ以外のだと、途中で東陽町の方に曲がって行っちゃいます。降りるのは『中◯△橋』です」

急ぎ病院の外に出ると、身を切るような冷たい外気。
振り仰ぐと冬晴れの空は青く、林立するビルの間から、真っ直ぐ定規を引いたような白い飛行機雲が見えた。

迷っている時、躊躇っているとき、目にも鮮やかな白い直線を見上げ、
大丈夫だと、さあ行けと、励まされ、背中を押してもらったことは多々ある。

それは単なる飛行機と気象条件の合致による、偶発的な気象現象でしかないのだけれど、
そこに吉祥の兆しを見、それによって次の一歩を踏み出すことが出来るのなら、それはその人にとって紛れもなく神聖な告知なのだ。

そう、大丈夫。

まだ最悪なわけじゃない。
こんなことじゃ参ったりしない。
この程度でへこたれたりしない。

ばっちこーい!( ̄▽ ̄)V