在宅介護という名の過酷にして壮絶な終わりなき戦いの日々 自分の病気、ジツボとの関係 荒野に俺は一人だけ(笑)

あきらめる以上のこと

 「死」は現代最大のタブー、人生の敗北、悪の枢軸、みんな出来ればなるべく触れたくないものなんじゃないでしょうか。

しかしその反面、安易に「死」を利用したお涙ちょうだいドラマは溢れかえってる。

これも考えてみれば、安全圏から他人の不幸に涙を流せる自分に酔っているようなもんだから、「死」を自分のものとして考えていないことの表れとも言えるね。

 しかーし、人間なら誰でも、いずれは死ぬんですよ。

そんな大きな存在を、無いことにしてぞんざいに扱っていいものか。

「死」から逃れよう、目を背けようとしていたら、いざそれが目の前に迫って来た時は、とんでもないパニックに陥るんじゃないのか。

実際、ガン患者の多くは、告知の時にその疑似体験をしているにちがいない。

あのころはほとんど情報が無かったから、「告知」はまさに「死の宣告」とイコールだと、大多数の患者が感じていたはず。

しかし、その後必死で情報を集め、病気のことを知ることによって、なんとか冷静さを取り戻して、病気に向き合えるようになったわけです。

もちろん今でも、死への恐怖はあるけれど、そればかりに惑わされることのない強さは身につけていると思う。

まーなかには、もう忘れたことにしちゃいたい人もいるだろうけどね。


 とは言うものの、「死」について考えるといっても、相手が大きすぎてつかみ所がない。

観念的なことばかり考えても堂々めぐりをしそうだし。

しかし、告知の時の疑似体験は、そのまま本番に役立つとは思わないけど、参考になることは多い気がする。

たとえばガンについての心構えや精神の有り様云々よりも、実際に自分の症状がどういう経過をたどるのか、いまはそのなかでどのへんにいるのか、それぞれの時点でどんな対処ができるのかという、かなり即物的な情報のほうが、意外にも不安をやわらげてくれた。

「死」についても、わからないからなおさら恐ろしいといった面があるのでは。

ということは、死を意識した「緩和医療」を知ることは、「死」について考えることにもなるんじゃないだろうか。
(後略)

以上は、かつて「史上最凶の乳ガン患者」として、(現在ブログ休止中)活躍された女流陶芸家Kさんの、

緩和医療に関するページの前文です。
(ご本人様より転載のお許しを得ております)

ここでは、ガン患者の立場からの、死生観、情報の有用性、にもかかわらず遅々として進まぬ情報ネットワークの現実、縁起でもないと目を背けて来たが為の準備不足を上げておられますが、

その問題点は高齢者問題においても、重複する部分が多々あり、

ガン患者も高齢者も、その家族達も、

等しく、光り輝く未来と明日への希望が色褪せたものとなり、

俄に命の刻限、膝行り寄る死の気配に戸惑い、恐怖し、泣き、怒り、何をどうすれば良いのかも分からず、

どこへ向かえば良いのか、何を道標とすれば良いのか、

医療、制度、経済的精神的肉体的支援等々、あらゆる情報と支援が必要とされているのに、

欲しい情報が充分に得られず、情報難民患者・介護者を放置したままという現実は、制度の不備なのか、どこの怠慢なのか、怒りを通り越して呆れるばかりです。


Kさんも情報をかき集め、病気のことを知るようになって、何とか冷静さを取り戻し、病気と向き合えるようになったとありますが、

戦うにしろ、受容するにしろ、「分からない」というのは最も始末が悪い。

対策も立てられないし、準備もできない。

孫子の兵法「彼を知り己を知れば百戦危うからず。彼を知らずして己を知れば一勝一敗。 彼を知らず己を知らざれば戦うごとに必ず危うし」とあるように。

この言葉は、情報は何より重要であるということと、情報欠落のみならず、情報処理が不適切で正常な判断が行われないことの危険性をも指摘しています。

無知であるから、偏った情報に誘導される。
主観が入るから、身びいきも出るし、信心深いから大丈夫だのといった類いの曲解がなされ、
また、反対にネットに依存し過ぎて、過剰情報でかえって混乱を来す。

(まあ、その、一見、無駄な回り道のようにみえる行程も、世界中探しまわったけれど、幸せの青い鳥はお家に居ました的な、もしかしたら辿り着くべき扉を見い出す為の必要な儀式である場合も有るかもしれません)

人は死ぬのだと。
それはどうすることも出来ない、命有るものの宿命で、
病気を得た以上、老いが進んだ以上、もうそれは無かったことには出来ない。

病を得た身で、老いた身体で、或はそこに寄り添う者として、

これからどういう経過を辿って行くのか、
今自分はその過程のどの辺りに居るのか、
何が出来、何が出来ないのか、
どのようなサポートが受けられるのか、
最悪なケースとしてどういったことが考えられるのか、
その場合、どのような対応をするのが望ましいか。

そんな冷静に、前向きになんてなれるわけない。
そうかもしれません。

しかし、トリプルネガティブ乳ガン末期の方で、MCAセキュリティの資格試験に合格、
勉強している間だけは病気のことを忘れられた、
勉強するって本当に楽しくてたまらない と語り、
最期まで生きることにポジティブだった藤谷ペコさん(2011.1逝去)のことが思い出されるワタシは、

ご先祖様にご加護を祈願したり、
神社仏閣をハシゴしまくって寄進して、
護符を貼って、水晶玉供えて、安心を金で購ったような気になったりしてるより、
(でも、信仰なんてのはその為に有るものだから、それはそれで良いのかもしれませんが)

物事はシンプルに考え、
余計な人間関係も一掃し、
世間体とか立場だとかの我慢もやめて、

残り少ない時間だからこそ、周囲に迷惑をかけない範囲で、誰の為でもなく自分の為に、自分が最も自分らしく生きる、

そんな余命であればと思うのです。



Kさんは現在、東京高円寺での展覧会に向けて鋭意製作中。
興味の有る方は工房HPまで→
どなた様もマナーとエチケットを守って良い旅を。





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コメント

いや~びっくりしました。自分のことを言われているのかと・・・

癌夫は入院13日目に力尽きました。覚悟していたとはいえ、あと数日の命です、と言われたって心の準備なんぞできるものじゃあありません。

人は死んでいくときに、どんな経過をたどっていくのか・・・もちろん人それぞれではありましょうが、共通事項みたいなものはないかと検索しまくり、少しは冷静になれたような気がします。

癌の副作用も人それぞれで、夫は車の運転をしている時は副作用も忘れていられたようで、終末期でさえも運転中は疼痛が軽かったようです。

義母は今もショート中で元気に生活している様子。体調はさらに回復しているようです。
モンダイは、いつ真実を告げるか・・・
短期記憶があいまいなのだから、本人が気づくまで黙っているべきか?でも、祭壇があるし、遺影は飾ってあるし・・・義母が気づかぬようにできるのかしら?真実を知って、ショックのあまりに食欲をなくされても困るし、悩ましいところです。
ご主人様のご逝去を悼み、かたくり様のご心痛をお察し申し上げ、心よりお悔やみ申し上げます。

本当にお疲れさまでございました。
きちんと食事を取っていますか?
くれぐれも身体をいたわって下さい。

お義母様のことも心配ですが、伏せたままというのも色々難しいのではないでしょうか…。
ワタシでしたら、きっと沢山泣くでしょうが、やっぱり教えてもらった方が良いですし、きちんと送り出したいと思いますが…。

何かあったらいつでも連絡下さい。

コメント有り難うございました。
うちは血管系の家系です
父は食道がんで亡くなりましたが 
それは 明らかに自己責任(酒 煙草 熱い物好き)でそれより
再々の小さな脳梗塞の方が… 母は結局 クモ膜下・脳梗塞でしたし…

3年前の脳ドックでは 小梗塞と海馬の委縮し易い脳型 を指摘されて
落ち込みました が やはり やつらが来るとしても
突然襲われるより 迎え撃とう と 先日 脳ドックに行って来ました
今度の先生は「このくらい大丈夫」と言ってくれましたが…

やはり 与えてもらっている余生は 自分らしく生きたいです
本当に 気を配るべきもの以外は もう振り捨てたいとも思ってます
ただ 正直 “自分らしく” が一番難しい (-_-;ウーン
 
自分が○○患者だと告知された時、手術で寛解なんて考えも付かず、手術→化学療法→再発→美人薄命(すいません、最後だけ嘘です 笑)、40代で死んじゃうんなら、もっと金でも酒でも男遊びでもしとけば良かった などという後悔でいっぱいでした(爆)。
幸い、今のところ再発も無く、爺様も何とか送り出せましたが、気がつけば親しい○○友の半分近くは向こうに逝ってしまいました。

下らぬ快楽に費やして終わる人生はあまりにも短く勿体ない。
もっと生きたかった、小さい娘を多感な年頃の娘を優しい夫をずっと見守っていたいと願い、叶えられなかった人達の無念を思うと、辛いとか苦しいとか寂しいとか疲れたとか、その程度で手を抜いたり、さぼったりしては、今生きている者として恥ずかしいと思うのです。

コメント有り難うございました。

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