2017 / 09
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色々考え過ぎて疲れて、少しうとうとする。
ふと目が覚め、爺様の方を伺うと、

突然、あくびをするような大きな息を2回。

チェーンストークス?と慌てて腰を浮かした途端、目の前で呼吸が止まった。

時刻はPM12:15。

(リンク先の解説通り、正しくはチェーンストークスは、浅い呼吸→深い呼吸→呼吸停止の繰り返しなので、この呼吸状態はチェーンストークスとは呼ばないと思われるが、

要は、チェーンストークスが臨終間際によく見られる呼吸状態であり、真っ先にその名称がワタシの脳裏に浮かび、慌てて立ち上がりかけた、その目の前で、爺様の息が途絶えたということです)

POTE「お爺ちゃん…?お爺ちゃん…!」

呼びかけ、揺すっても、爺様は二度と息を吹き返さず、

それがどういうことなのか、重々分かっているにも関わらず、ワタシはまるで悪い夢でも見ているような気分で、

聴診器(医療雑誌付録のオモチャみたいなもんですが、今まで何度もコレで心音取ってました)を持って来て、心臓と首筋に当て、心拍と脈拍が停止しているのを確認。

先程までの荒い息もなく、少し口を開いたまま、眠っているような爺様の顔は次第に黄色味を帯びてきた。

掛け布団を捲り、触れてももう握り返して来ない爺様の手を胸元で重ね、布団をかけ直し、

俄に、感情が込み上げ、爺様の枕元で、ワタシ、声を上げて泣きました。

後にも先にも、爺様の為に流した涙はこの時限り。

通夜の時も葬儀の時も出棺前の花入れの時ですら、一粒の涙も見せなかったワタクシですが、
(生花の数だの、火葬場に行く人数だの、弁当の数だの、家族席の着席順の指示だの、現実的な手配の方でいっぱいいっぱいで、泣いてる暇もありゃしません)
(とはいえ、後日、葬儀社が取ってくれたスナップ写真見たら、皆さん、棺を囲んで哀しそうに泣いてらっしゃるのに、一人平然というか淡々というか、微笑みすら浮かべて花入れしてて)
(確かに、殊更明るく「お爺ちゃん、綺麗なお花でいっぱいですよー、良かったですねー」とか語りかけてた覚えはある)
(アタシって、酷い嫁)

誰の目にも触れず、数分、静かに横たわる爺様の傍らで、ワタクシ、思う存分泣きつくし、

そして、ひとっきり泣いた後、先ずワタシがしたことは、洟かんだことと、爺様のパジャマズボンの交換。

前日、義姉上が手伝ってくれるっていうからパジャマと下着着替えさせたんだけれど、

結局、自力で座位が保てない爺様をPOTEが一人で着替えさせることになって、上半身だけでこっちがグロッキーでやめちゃったもんだから、パジャマ上着とズボンが違うデザインのまま。

これから、往診内科医や葬儀屋呼ばなならんのに、そんなチグハグな格好をさせておく訳にはいかず、

上下揃いのパジャマに着替えさせました。

汚い話しで申し訳ないが、或は臨終の際、脱糞体液流出もあるかもしれないと覚悟していたが、爺様の場合、それはなく、おシモも綺麗で、改めて清拭の必要は無し。

その後、シェービングフォーム塗って、軽くひげ剃り。
(いつもひげ剃り嫌がって、すぐに「もういい、もういい」って言ったよね)
(剃り残しが無いように、ワタシ強めにシェーバー当てちゃうから、いっつも「痛いよ!」って怒られたね)

仕上げに、ホットタオルで(温かいの好きだったし)顔や首回り、手を拭いて、これで、取り敢えず誰が見ても恥ずかしくないようにできた。

時刻は午後12時40分。

往診内科医のN先生はまだお見えにならない。
多分、外来の患者さんがなかなか終わらないのだろう。

N医院に、いえ電から電話し、受付のスタッフに先程息を引き取ったので、先生に急がなくて大丈夫ですとお伝え下さいと伝えると、

採血に来て下さった看護師さんが電話口に出て、まだ4~5人患者さんが居るので、もう少し待ってもらえますかと、凄く申し訳無さそうに言ってくれたので、

POTE「もう、こちらは急ぎませんから、ゆっくり来て頂いて構いません」
看護師「今、一人ですか。他に誰か居てくれてる?」
POTE「いえ、ワタシだけです」
看護師「大丈夫?」
POTE「…?はい、大丈夫です」
看護師「ごめんなさいね、なるべく早くお伺いするようにしますから」

電話を切り、今度はケアマネに、事態を報告すべく電話するが、よりによって今日はケアマネs氏はお休み。
事業所事務スタッフ「どうかなさいましたか?」
(婆様の訪看さんから、爺様の容態については事業所内でも周知されているらしい)
POTE「お爺ちゃんが先程息を引き取りましたので、週明けにターミナル訪看さんの打合せと契約のお話を頂いていたんですが、キャンセルさせて頂くということで…」
事業所事務スタッフ「えっ?ちょ…っ、ちょっと、お待ち頂けますか?」
すると、婆様の訪看に最初に入ってくれた(途中で担当者交替)看護師のサワダ(仮名)さんに代わり、
サワダ(仮名)「亡くなられたんですか?いつ?」
POTE「ついさっきです。12時15分でした」
サワダ(仮名)「往診医はN先生でしたよね」
POTE「ええ、ホントは外来が終わり次第、往診して頂くことになってたんですけど、間に合いませんでした。亡くなったことは、もうN医院に伝えてありますので、あとは死亡宣告して頂くのを待ってるという状況です」
サワダ(仮名)「誰か、一緒に居るんですか?お婆ちゃんは?」
POTE「お婆ちゃんはデイに行ってます。お婆ちゃん本人は、今朝かなりお爺ちゃんの状態が厳しくなってたので、デイに行くのどうするか迷ってたんですけど、このところの残暑で汗もかいてたし、お風呂には入りたいっていうので、ワタシが行かせたんです」
サワダ(仮名)「え、じゃあ、今、一人なの?」
POTE「はい、一人です」
サワダ(仮名)「大丈夫?」
POTE「大丈夫です」

…って、あのー、なんで皆さん、大丈夫かってお聞きになるんですか?
ワタシ、未だに何を心配されてたのかよー分からんのですが。
やっぱり、普通、家族って、もっと取り乱したりするもんなのかなー。

POTE「長い間、本当にお世話になりました。sさん、今日はお休みだそうで」
サワダ(仮名)「そうなんですよ、滅多に休まないんですけど、今日だけちょっと…、すみませんねえ」
POTE「とんでもありません。よろしくお伝え下さい」

いえ電を切り、お爺ちゃんが居る和室に戻ると、携帯が鳴った。

義姉上からだった。

義姉上「このあいだはお疲れ様でした」

POTE「…お義姉さん…」

義姉上「(聞こえてない)今日、お父さん(御夫君)が車出してくれるっていうから、これから一緒にそちらに向かいますね」

POTE「…お義姉さん…!」

義姉上「(やっぱり聞こえてない)で、どうです?お爺ちゃんの様子は?変わり無い?」

POTE「お義姉さんっっ!!」

義姉上「(漸く聞こえたらしい)なに?…どうしたの?お爺ちゃんに何か?」

POTE「さっき、息を引き取りました」

義姉上「え?なに?」

POTE「さっき、亡くなりました!」

義姉上「ええっ?亡くなった?いつ?」

POTE「12時15分に息が止まりました。…申し訳ありません」

義姉上「…ううん、そんな…そんなことないよ。お婆ちゃんは?そこに居るの?」

POTE「お婆ちゃんはデイに行かれてます。昨日も暑かったので、お風呂に入らないといけないと思って、ワタシが行かせたんです。すみません」

義姉上「え、じゃあ、POTEちゃん、そこに一人なの?」

POTE「はい、ワタシだけで見送ってしまいました。申し訳ありません」

義姉上「ああ、いえ、そんな、とんでもない、一人にさせちゃって、こちらこそごめんなさいね。じゃあ、とにかく、これからそちらに向かいますから」

POTE「それで、すみません、お願いがあります。車でおいでになるんでしたら、お婆ちゃんを早退させてもらうよう連絡しておきますので、デイに迎えに行って頂けますか。これから往診の先生が来て、死亡確認して頂くことになってるんですが、まだ当分ワタシはここから動けそうも無いので。駅前のデイサービスフラワーカントリー(仮名)です」

義姉上「ああ、そうね。分かりました。じゃ、そうします」

今度はフラワーカントリー(仮名)に電話し、事情を説明。
義姉上夫妻が迎えに行くので、今日だけ早退させてもらうようお願いする。

ケータイを切ると、まもなく往診のN医師が看護師さんと自転車で駆けつけて下さり、死亡確認。

午後1時36分、死亡。
死因は尿毒症。

免疫低下により、体内菌の炎症に身体が耐えられなかったということで、ある意味、寿命ということのようです。

医院に取って帰り、すぐに死亡診断書を書いて下さると言うことで、2時過ぎに医院に受け取りにいくことにする。

N医師と看護師さんが帰られると、まもなく義兄さんの車がウチの駐車スペースに入ってきた。

玄関ドアを開けると、義姉上が荷物を持って入って来られ、

義姉上「ごめんね、一人で大変だったでしょう」

いいえ、そんなと頭を振り、それよりも気がかりだったのは、やはり

POTE「…お婆ちゃんは、びっくりしてました?お義姉さんたちが迎えに行ったことに」

義姉上「うん、ちょっとはね。…でも、大丈夫よ」

ワタクシ、今まで幾度となく義姉上に対し、理不尽な八つ当たり暴言を吐いて参りましたが、
今回、義姉上は限りなくワタクシに優しく、色々慮って下さいました。
心から感謝申し上げます。

義姉上は大丈夫だと仰ってくれたが、もしかして見送ることが出来なかった不手際を責められるんじゃないかと、一抹の不安と緊張を抱きつつ、婆様を降車介助する為、義兄さんの車のドアを開けると、

婆様「よく一人でやってくれたね。何もかんも一人でさせて、済まなかったねえ」

4点杖を突きながら、4段階段を掛け声と共に上がり、室内車椅子に乗り、和室へ。
横たわっている爺様に、いつものように声を掛ける。

POTE「お爺ちゃーん、お婆ちゃん帰ってきましたよー」

婆様「お父さん、帰って来たよ。お父さん、もう行っちゃったの?…お父さん…お父さん…」

婆様は泣き崩れたりはしなかったけれど、この後、見舞いに駆けつけた(結局、間に合わなかった)義姉上の長男も加わり、

皆さんが爺様と寄り添い、悲しみと共に、葬儀準備開始前のつかの間の鎮魂のひとときを過ごしている間、

POTEはN医院に死亡診断書を貰いにチャリで走り、

リビングのいえ電で、葬儀社と菩提寺に電話連絡、

まもなく葬儀社スタッフが6~7人来て、

介護ベッド脇に祭壇をしつらえ、爺様の遺体は白敷布と白布団に包まれた。

ワタシらは和室外に出されてしまったので、詳細は不明だが、ベッドに居た婆様によると、オムツも持って来ていて、新しいのを当ててくれてたらしい。

すぐに菩提寺住職と、通夜葬儀の日程と葬儀会場を押さえ、

引き続き親戚への電話連絡と、ご近所回って爺様逝去と通夜葬儀の伝達。

その合間合間を縫って、親戚関係から問い合わせやら返答の電話がかかってきて、
(同年輩相手だとかなり話しが早いんだけど、爺婆様の兄妹関係になると、何しろ揃いも揃って80代の高齢者ばかりなので、耳は遠いし、日時と葬祭会場の名称伝えるだけなのに、もーなっかなか話し通じなくてエラい往生しますた)

そんなこんなで、この日、ワタシが遅い昼食にありつけたのは、午後5時過ぎ。
(それもう昼じゃないって)

動きっ放しのPOTEに代わって、商店街に枕花のアレンジメント買いに出てくれた義姉上と長男が買って来てくれたタマゴサンドを一瞬で平らげ、

義姉上達が引き取った後、婆様と二人、有り合わせのもので夕食をとる。

それが、爺様が亡くなった日の主な出来事だった。


因みに、仕事中(この日は運動会の撮影)のじゃっくと連絡がついたのは午後4時過ぎ。
10/1~4まではどうにか休みが取れるよう調整出来たが、明日30(日)の撮影だけは代写が手配出来ず、出社になるらしい。





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【いろいろと】
人って生まれるときにはそれほど大騒ぎもしないのに、亡くなるときは大変ですね。

私も母親の時には一人で走り回って疲れ果てました。病院で検視官を待つのに1時間以上もまたされて、葬儀屋さんに何度も電話で遺体引取りの時間が変更になったと連絡を入れて、今思えばPOTEさんと変わりませんでした。
残された父親の面倒も見なくてはいけないし、体が二つ欲しいと思いましたよ。
【頭が下がります】
さぞ大変だったとは思っておりましたが
まさかここまで…エンジェルケアまでなさっていたとは…
もう感服いたします

冷静な視点での記録がいっそう事態の緊迫感とPOTE さんの置かれた状況の凄まじさを表して
嫁って何だろ?と思います
多分血の繋がりの無い他人が看取ったと言う思いが家族の中に有るから?とも勘ぐってしまいますが
家族って血の繋がり以上の心の繋がりも有るからとこの濃密な最期の時間を読ませて頂きました

まだまだ大変な時間が続くてしょうがどうぞお身体にはお気をつけください

【】
介護だけでも大変だったのに、家での看取りまでしたPOTEさんはすご過ぎます。
おじいさんは幸せな旅立ちだったと思います。
いろいろ振り返ると疲れが出てくるのではないでしょうか?
寒くなるので体に気を付けてください。
【>みかんさま】
務めは、それを果たせることが出来る人を選んで課せられる そうですが〜
もっと楽な務めを課して欲しかったですねえ。
一人損してるみたいな思いは正直もう沢山です。

コメント有り難うございました。
【>ツンデレさま】
あ、あれ、エンジェルケアになりますか?

この期にパジャマ上下柄違いはマズいと思いましたし、あとは単に手持ち無沙汰だったというか、何かしてないと落ち着かなかったということでもあるんですが(汗)。

過分に褒めて頂いて恐縮です。

でも、どのお宅でも、主介護者はすべからく、凄くてエラくて感服に値する素晴らしい人なのだと思います。

コメント有り難うございました。
【>スティックさま】
車椅子で、目も良く見えず、耳も聞こえず、記憶は薄れがちで、シモの世話もしてもらわなくてはならない爺様の、最後の望みが「自宅に居る」ことでしたから、せめてそれくらいは叶えて差し上げたかっただけですよー。

でも、自宅看取りはきっと悪い例だと思います。
主介護者の心身の為には、早期の施設入所、入院の方が良いんじゃないでしょうか。

元気な頃は、瞬間湯沸かし器並みに、思い込みで怒鳴り散らす難儀な爺様でしたけど、最後は素直で恥ずかしがりで甘えんぼさんの爺様でした。

コメント有り難うございました。
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POTE

Author:POTE
家族:
ダンナ(じゃっく・仮名)
子供なし
婆さま(ダンナ母・90才要介護4 脳梗塞で左麻痺の車椅子)
爺さま(ダンナ父・2012.9逝去 享年95才 最後は要介護4の車椅子)

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