2017 / 09
≪ 2017 / 08 - - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 2017 / 10 ≫

ケアマネs氏「アナタお一人で、あのお爺ちゃんと、半マヒのお婆ちゃんを看るのは、絶対無理です。恐らく、一ヶ月も保ちません」

…厳しいのは覚悟してます。その上で、そこを何とか協力して頂きたいんです。

s氏「お宅は、お婆ちゃんに老健に入って頂いて、もう3ヶ月生活リハビリ、お爺ちゃんもデイケアに行って、リハビリして回復してもらわなければ、どうにもなりません」

で、でも、退院だけを楽しみに、一生懸命リハビリして来たお婆ちゃんに、もう3ヶ月他所でリハビリして来いなんて、ワタシとても言えません。

s氏「言わなきゃダメですよ。頑張って、説得するんですよ。お願いします。でないと、共倒れですよ

……この一言はズシリと来た。

恐らく、長年介護に携わって来たs氏は心意気だけで挑戦し、脆くも瓦解した介護の実態を熟知しているのだろう。
個々の家庭の決断を尊重し、結果、食い止められなかった悲劇も何例も見てきたのだろう。

普段温厚で、飄々とした笑顔のs氏は、この時別人のように厳しく険しい態度で、決してワタシの訴えに耳を貸そうとはしなかった。

s氏「自分はこの後、老健に行って、お願いして来ます。正式申請は御本人と御家族の同意がなければ出来ませんが、今は一刻も早く動かないと間に合いません」

…一度リハビリ病院から退院して、せめて1週間くらい自宅で過ごして、それから老健入所ということは出来ないんですか。

s氏「ダメです。病院からの連携を受けての入所でないと、難しいです」

…だとしたら、もう主人に説得してもらうしかありません…。

s氏「説得してもらって下さい。それしかありません」

呆然と困惑しているPOTEを残し、s氏は老健に向かうべく病院を出て行った。



ワタシは途方に暮れていた。

このブログでも、親身になって心配して下さった方々は、一人残らずケアマネs氏と同意見だった。
恐らくワタシも、他の誰かが今の自分と同じ状況であったのなら、誰よりも施設入所を勧めたに違いない。

にもかかわらず、ワタシは皆様の好意を無碍にして、自分の力を過大評価し、現実を正しく直視しようとせず、心意気に逃げ込もうとしていたのだ。

今月中に爺婆二人が帰って来ることは、大変だろうけれど、楽しみでもあった。

連休は受け入れ態勢の為に時間を費やし、
介護ベッド2台を置く為に、
ダンナと二人でタンスを二階へ上げ、
飾り棚や冷蔵庫、テレビを移動し、
家具をどかした後の壁の汚れや畳の汚れを掃除し、
あっちこっちから出て来る婆様の大量の衣料や雑多な小物に辟易しながらも、押し入れや収納を整理し、
カーテンも新しく替え、
あとは、介護ベッドと婆様の為にポータブルトイレが搬入されるのを待つだけだった。

それが、

婆様が帰って来ない。

恐らく、そうすることが、誰よりもワタシにとって負担減になる最良の策だと頭では分かっていても、では、ワタシのあの準備作業は何だったのかという忸怩たる思いと、

爺様だけが退院して来て、しかも寝たきり状態で、
それなのに、家に帰る日を指折り数えて待って懸命にリハビリに勤しみ、それなりの成果を出している婆様に、今更どの面下げて老健に行ってくれと言えるのだと、恐怖にも似た暗澹たる混迷に、泣き出したいくらいだった。

しかし、事態は待ってくれない。
その日の午後は、第1陣として爺様のベッドが搬入される。
(婆様のベッドは、婆様の退院日が確定したら搬入される予定でした)

気持ちが乱れたまま、自転車で帰宅。
食欲は皆無だったが、冷凍スパをチンしてかっこみながら、(何か、ろくに味もしなかった)仕事中のダンナに緊急メール。

ダンナはすぐ電話をかけて来てくれたが、
「よし、じゃあ、俺が婆さんを説得する!」的な明快な回答は得られず、
(後で聞いたら、突然だったので気持ちの準備が出来てなかったけれど、休みの日にでも婆様の病院に行って話するしかないと、覚悟はしていたそうな)

どうする?どうすればいい?うーん…ああ、もう仕事に戻らないとと言われ、何の解決にもならなかった電話を切った途端、Fランスベッドの配送担当者来訪。

あっという間に、家具調の介護ベッド(キャスター付き)が組み立てられ、契約書に署名捺印し、取扱説明書を受け取り、搬入完了。

介護ベッド1台だけがぽつんと設置された和室は、空々しいまでにすっきりと小綺麗で、一人そこに立ち尽くしているだけで、えも言われぬ虚しさとやり場のない怒り、困惑と混乱に吐き気さえ覚えた。

もーやだ、もー疲れたから、今日はふて寝したる!と思ったのに、

何故か、和室の仏壇を振り返ると、先代婆様の写真と目が合って、

非常に空想的な上、感傷的でベタな展開で恐縮なんですが、

『お前がおやり』

『嫌な役回りだけど、先延ばしにしても良いことなんかありゃしない』

『行って、お前が話をしなさい』

と、厳しく諭されたような気がして、

今日はPOTEは三者面談とベッド搬入があるので、婆様の病院は義姉上に行って頂くことになっているのだが、

洗濯物も乾いているし、
婆様、義姉上揃ってる席で、一気に話してしまった方がコトは進み易いかもしれない。
嫌な役だけど、逃げ腰になって、ダンナに押し付けたところで、どうなるもんでもない。
もー、こーなったら、とことん矢面に立ったるわ。

と、洗濯物バッグに詰めて、家を出た。
(我ながら損な性格)

さて、それからどうなる? 
続く


ランキング参加中
よろしければクリックを
にほんブログ村 介護ブログ 在宅介護へ
拍手して下さるアナタに感謝

【何となく、お気持ちわかります】
POTEさんの立場だったらどう考えるだろうと・・・
やっぱり同じような反応を示していると思います。

これまで気を張って、がんばってきたのは何だったのか
お婆様も家に帰りたいと思っているだろうし
もしかしたら何とか乗り切れるのかもしれない。
色んな思いが渦巻いて「やりま~す。」と手を上げているのでは

ケアマネさんは、その辺りも含めて判断されたのかも。
張った糸は張りすぎると切れてしまいます。
端から見てると危うさが分かるけれど
張ってる本人はどれぐらい張り詰めているのかさえ見えません。
切れてしまってからでは遅いですから。

損な役回りでもPOTEさんなら。
いよいよ次回が待たれます。
ゴメン。催促してしまった。
【NoTitle】
POTEさんの状況を考えると・・
頭の中で色んな事が飛び交ってます! んー

お姉さんたちは・・・?無理ですよねぇ~

【NoTitle】
POTEさんの意思に反しますが、ケアマネs氏の強い言葉に、ホッとしているのは、私ばかりではないと思います。
s氏の指導の下、心ならずも、お婆様を説得といういやな役目まで引き受けて、どうか、お婆様が素直に聞き入れてくださいますように。
義姉様が、POTEさんの立場を理解して、心身のウルトラ重荷、分担してくれる、という事はあるのでしょうか?
【>山田あしゅらさま】
頂上目前に撤退を余儀なくされる登山家と言ったら、大袈裟ですが、如何なる分野、場面でも、勇気ある撤退こそが最も難しい。
そのことを身に沁みて痛感しております。

コメント有り難うございました。
【>黒ごま7さま】
「強力な好敵手より、無能な味方の方が油断ならない」
基本的に善人な方ですが、如何せん、介護の実情については極めて疎いので、話してても、ああ、やっぱり分かってないと感覚のズレを感じてしまいます。

コメント有り難うございました。
【>まさひまさま】
皆様がワタシを案じ、心配して下さっていることは重々分かっております。
本当に有り難うございます。
義姉上とは、そんなに険悪な仲ではありませんが、やはり嫁いで出た娘と入って来た嫁、年に5~6回遊びに来るのと、朝から晩まで365日一緒に住んでいる者とでは、同じ老親でも見え方が相当違うようです。
いいんです。立場が違う人にあれこれ理解してくれというのもどうかと思いますし。
近くの身内より、遠くのブロ友の皆さんがいらっしゃれば、それだけでワタシは充分救われております。

コメント有り難うございました。

この記事へコメントする















POTE

Author:POTE
家族:
ダンナ(じゃっく・仮名)
子供なし
婆さま(ダンナ母・90才要介護4 脳梗塞で左麻痺の車椅子)
爺さま(ダンナ父・2012.9逝去 享年95才 最後は要介護4の車椅子)

since2009.2.10

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30