26(月)続き
訪問入浴スタッフが引き上げた後、昨日の夕飯の残り物でお昼ご飯。
お爺ちゃん、この後、往診の先生が来ますからねー。お風呂で綺麗にしてもらった後で良かったねー。

13:00~14:00の間に来て頂けるということだったので、手早く後片付けを済ませ、玄関に来客用のスリッパを出し、準備OK。

ところが、13:40を過ぎても一向においでにならない。

爺様はとっくにベッドで口開けて爆睡してるから良いけど、待ちくたびれた婆様がリビングにやって来て、遅いねえとこぼす。

うーん、でも午前中の患者さんを診終わってからじゃないと、先生出られないんだよ。
中には午前の受付ぎりぎりに来る患者さんもいるだろうし、受付時間過ぎてても役所じゃないんだから、午後に出直せとは言わないでしょうし。
何たって、先生の好意で、折角のお昼休みを削って、わざわざ来てもらうんだから、のんびりお待ちしましょうよ。

なんて話してたら、電話が鳴った。
急いで出ると、やはり噂のn先生。

「御免なさい、遅くなって。さっきまで患者さんが来てたもんだから」
ああ、いえいえ、お忙しいのに、有り難うございます。
「それで、今近くまで来てるんだけど、どの辺りか、わからなくて」
じゃ、今、外に行きまーす。

スニーカー突っかけて外に出ると、500M先できょろきょろしている自転車のn先生発見。せんせー、こちらでーす!

初めて病院を訪ねした時、診察室のデスクのPCでGoogl地図出してもらって、この角ですと指し示したけれど、うちの周り、下町なもんで路地がやたら多くて、実際その場に来ると分からなくなることが多い。
しかも新道が出来たりすると、かえって周辺風景が変わって、古くから住んでる人の方が道に迷ったりする。
うちのダンナや婆様も近道しようと思ったら、全然違うところに出てしまって、結局遠回りになっちゃった、ということはしょっちゅうです。

「先生がお見えでーす」と和室に入ると、爺様も目を覚ます。

「初めまして、nです。お尻の骨、欠けちゃったんだって、大変だったねー。じゃ、ちょっと診せてもらおうかなー」
若くて(多分40代前半?)元気いっぱいの体育会系n先生の威勢の良さに圧倒されつつ、爺様寝たままで、血圧測定、痛みの箇所の確認をする。

今は容態も安定しており、常用薬の処方を第一にお願いしたい旨、確認。それと、熱が下がってからが出ていないので、緩下剤の処方をお願いする。

月一の往診で、後ほど、嫁が病院に出向き、診察代+往診費(500円)を清算する。
常用薬はまだ残りが充分あるので、足りなくなりそうになったら、その時にまた病院に連絡。薬を出して頂くようにする。
前に通っていたt医院は発行された処方箋を持って、隣接する処方箋薬局へ行き、薬は別清算だったが、n医院は院内処方なので、薬も病院で頂けるとのこと。

帰りがけに、「こちらには昔、父親のお供で伺ったことがあるんですよ」とのこと。ええ?
先代の婆様(当然故人)が大先生(こちらも故人)に診察して頂いたのだという。
でも、先代の婆様という方は、うちのダンナ(50代)が中学生くらいの時に亡くなっているので、当然今のn先生はもっとずっと子供だった筈で、まあ、お医者の家の子供だということで、鞄持ちみたいなことさせられていたんじゃなかろうか。

「そういえば私も、随分前になりますが、風邪で大先生に診て頂いたことがありますよ」と婆様。
「今はもう大先生、いらっしゃらないんですか?」
「ええ、もう、亡くなって10年になります。それで、自分がアメリカから帰って来たんです。正直、臨床に携わるとは思っていなかったんですけど」
「ああ、では研究の方で」

後で調べたら、病院HPに、n先生の経歴として
米国ミネソタ大学心臓血管部門留学 の一文が。
病院は父先生に任せて、アメリカで研究三昧の毎日を送っていたのだろう。
それが父親の逝去で急遽帰国。研究生活を断念し、病院を継いだということらしい。

人生、誰もが予想外の連続ですね。
うちだって、結婚した当初はダンナの会社が多摩地区にあるので、そっちで生活してて、その頃は盆と暮れと彼岸に訪問する程度で、千葉在住のダンナの姉一家の方がよほど親密にしてて、孫も居たからしょっちゅう一緒に食事に行ったの、旅行に行ったのしてたから、爺婆に何かあって同居するようになったら絶対お姉さんがするんだろうなーと思っていたのに、10年前爺様が大腿骨骨折で手術入院した時、家建て直して同居すると言ったのはうちのダンナだった。

婆様の方の話ししか聞いていないし、だからその時のニュアンスとかもわからないし、何時の時点の話しなのかも微妙なんだけど、婆様が義姉に、こっちに帰って来ないかと水を向けても、色良い返事はなかったらしい。
私はそもそも他人で、口出す立場ではないけれど、娘と孫可愛さに、爺婆は経済的にも物質的にも随分姉一家に良くしてあげていたのに、いざとなりゃ、娘なんてそんなものなのかなー。

同居するにあたって、私は仕事辞めましたし、身贔屓だとは思いますが、うちのダンナなんか、それまで会社まで徒歩10分という超至近距離に住んでいたのに、今は総武線と中央線乗り継いで通勤してるんですけど、ラッシュアワーなんかまるで未経験の人だったので、それだけでも偉いもんだと感心しとります。
現場直行の、早出が結構ある仕事なので、朝の5時とか、冬だとまだ真っ暗なうちから出勤したりするんですよ。
それに中央線、総武線てしょっちゅう信号機トラブルだ、人身事故だとかで止まりますよね。
同居してなきゃ、その通勤の苦労はなかったよねーと、パジャマに膝掛け巻いて半纏引っ掛けて見送りながら思ったりする。
で、その後ワタクシもう一度寝直しております(をい))


「それじゃあ、今後ともよろしくお願いします」
「こちらこそお世話になります」

n先生がお帰りになった後、婆様に新しい先生の印象を聞いたら、元気が良くて、話しし易そうな先生で良かったとのこと。
前の掛かり付けのt先生は寡黙な紳士って感じだからねー。
でも、これでt先生に診てもらうことはないんだねえ、あんなにお世話になったのに、とか言い出した。

爺様はn先生に変わったけれど、婆様は変わらずt先生に診てもらう訳だから、t先生との御縁がなくなる訳じゃないよーと言ったら、安心したようにそうよねと頷いてた。

お年寄りって、環境や習慣、交際関係が変わるのって駄目ですね。
よく田舎で一人暮らししてた親御さんを都会暮らしの子供が引き取ったら、惚けちゃって大変だとか聞きますけど、お年寄りにとって「変わらない日常」は何より大切で、「変わる」ことはそのままストレスになってしまうようです。

ともあれ、n先生が好印象で受け入れられて、良かったっす。
POTE
Posted byPOTE

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