WINDING ROAD

在宅介護という名の過酷にして壮絶な終わりなき戦いの日々 自分の病気、ジツボとの関係 荒野に俺は一人だけ(笑)


怖い話 ・3・電柱の陰

  1. 2014/08/06(水) 20:19:45_
  2. 日々のたわ言
  3. _ tb:0
  4. _ comment:2
今日も東京下町は35℃の猛暑日でした…

涼しくなーれ。涼しくなーれ。

たいした怪談話ではないので、あまりお役には立たないかもしれませんが、もうちょっとお付き合い下さい。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * 

その昔、実家では犬を飼っていた。

実家近くの雑木林に段ボールに入れられ捨てられていた仔犬だったのだが、

縁有って、一番下の妹(当時小学3年)の為に飼うことになり、

両親と妹が毎晩夕食後、犬のトイレも兼ねて散歩に連れて行っていたのだが、


お恥ずかしいことに、生き物の世話をする なんつー地道で忍耐の居る行為に、まるで向いていないのがウチの家族だから、

両親の同行は3ヶ月も保たず、

夜の散歩は危ないからと、散歩役はあっさり「お兄ちゃんだから」と弟(小6)に押し付けられ、

弟が塾で忙しくなると「アンタ、お姉ちゃんでしょう」と、

体よくこっち(高1)に委譲され、

まーそんなこったろうと思ったよと文句たらたらで、

それでも、リードを持った途端、目をキラッキラさせて、キュンキュン言いながら、「早く早く、行こう行こう」と待ちかねて尻尾を振って愛想を振りまく犬を見ると無下にも出来ず、

せいぜい近所の住宅街を一回り、時間にして15〜20分程度ですが、毎晩、夜の散歩に出かけていた。


いちおー、彼(犬)にはお決まりのルートというのが有って、要所要所お約束の電柱でシッコして帰るのだが、

ある時、それまでご機嫌で歩いていた犬が急にぴたりと止まり、

どうした?と犬を見ると、さっきまでぴんと振り立てていた尾を両足の間に下げ、
明らかに腰が引けた格好で、キツネ耳をぺたんと横に伏せ、
しかも全身小刻みに震えているという有様。


その視線の先に有るものは、

何の変哲も無い、住宅街の街灯付き電柱。


物陰に誰かが居る訳でもなく、

両側には住宅が建ち並んでいる、ごくありふれた夜の風景。

別に、その近所に不祝儀が有ったとも聞いていないし、狭い一通道路なので車が絡む事故があった訳でもなく、心霊スポットにしては余りにも平凡というような場所だ。


ところが、「大丈夫だよ、行くよ」とリードを引いても、犬は硬直したまま、前進を拒否。

「何やってんのよ、何にも居ないよ。大丈夫だから、おいで、ほら」と、半ば引きずるように強引に電柱脇を通過すると、

如何にも仕方なさそうにイヤイヤ歩き出したけど、電柱脇を通過する際だけ、もの凄い早さで通過し、

通り過ぎたら、もう何事も無かったように、尻尾は立つ、キツネ耳は立つ、ご機嫌そうに歩き出した。


遠ざかりながら、くだんの電柱を振り返ったけれど、やはりそこに何の気配も感じることは無かった。

それでも、その後も、その電柱の所を通る度に毎回同じように犬が怯え、硬直したまま動かないので、なかなか散歩が終わらないのには閉口した。


そんな電柱前の綱引きを毎晩繰り返し、ある晩、その電柱を犬が平然と通り過ぎた。

拍子抜けの感で「…ねえ、もう大丈夫なの?」と思わず声を掛けると、犬は振り向きながらきょとんとした顔で首を傾げた。


それを見た時、もうアレはここには居ないのだ、と思った。

人なのか、人ではないモノだったのか。

その正体は分からずじまいだったけれど、犬にだけは見える、あれほどまでに犬を脅えさせる「何か」はそこに居て、いつのまにか居なくなってしまったらしい。

アレはそんな風に、今でもどこでふらりと現れては、人の見ぬものを見、聞かぬものを聞く生き物を脅かしながら、またふいに何処かへ移り去って行っているのだろうか。


とりあえず、視えない自分に感謝。
(視えたら視えたで大変だろうな〜)





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2014_08_06  [ 編集 ]

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comment

ありますね、そういうこと。

  1. 2014/08/07(木) 08:06:18 |
  2. URL |
  3. 山田あしゅら
  4. [ 編集 ]
少し前に義母も同様なことが顕著で
何かを指さし見てるけど
そこには何もない。
認知が進んでしまった今は
そういうこともなくなってしまったけれど
きっと彼女には見えていたんだと思います。

ご心配おかけしましたが
昨日当地は一滴の雨も降らず。
雷もamラジオに時折ザザっと雑音が入る程度でした。

一極集中の異常気象。
どうなっちゃうんでしょうね。

今日は関東地方も猛暑の予報。
どうかご自愛くださいませ。

>山田あしゅらさま

  1. 2014/08/07(木) 13:41:39 |
  2. URL |
  3. POTE
  4. [ 編集 ]
うちの故爺様も何度か発熱した際、大僧正みたいな格好の人がゾロゾロと…とか、着物着た子供が大勢いてやかましい…とか言い出したことが有りましたっけ。
(思わず、そそそれはまままさかお迎え?と慌ててブラックフォーマルをタンスから出したのは内緒です 笑)
(そして、後日コソコソ仕舞い直した 大笑)
でも、更に認知症が進んでご機嫌暴走が頻発すると、しょっちゅう友人(故人)が来てたのに何処へ行ったとか、仕事の時間だから出かけるとか、もー怖がってるどころじゃなくて、どう宥めて説得するかで毎回嘘八百並べ立ててました。

所詮、ワタシ達が見ている世界なんて、ほんの一部分でしかないのかもしれません。

「怖い話」と題しておきながら、怖がってるのは飼い犬だけで、飼い主は平然としているというお話でした(笑)

今日も東京は暑いですー。

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POTE

Author:POTE
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ダンナ(じゃっく・仮名)
子供なし
婆さま(ダンナ母・90才要介護4 脳梗塞で左麻痺の車椅子)
爺さま(ダンナ父・2012.9逝去 享年95才 最後は要介護4の車椅子)

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