WINDING ROAD

在宅介護という名の過酷にして壮絶な終わりなき戦いの日々 自分の病気、ジツボとの関係 荒野に俺は一人だけ(笑)
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別れはいつも突然に

婆様は六人兄妹の末っ子です。

長男(故人)
次男(戦死)
長女
三男(故人)
次女
婆様 

男兄弟はとうに彼岸の向こうへ旅立って久しいものの、姉妹は揃って健康長寿な方々ばかりなのですが、

先日、婆様のすぐ上の次女の方が亡くなられ、神奈川の平塚で行われる葬儀に婆様が出席したいというので、その支度に大わらわでした。

デイサービスの曜日であれば、爺様が出掛けた後、私が現地までお供出来るのですが、残念ながら通夜、葬儀ともデイとは合致せず。

現在の爺様を朝から夕方まで一人で留守番させることは絶対出来ないので、この時点で私の同行は消滅。

さりとて、方向音痴の82の年寄りが一人で平塚まで辿る付ける訳もなく、ここはダンナの姉上に御出座を要請。

とはいえ、生来呑気なお方なので、当日になって、それでどこに行けばいいのー?なんてことになったらえらいこっちゃと、
ネットを駆使して、先ずは自宅近くの都バス停留所から最寄り駅行きのバスの時刻調べ、

Yahoo!路線 で、最寄り駅から平塚迄の、最も乗り換え回数が少ないルートと、電車の発着時刻と乗車番線、乗車券代を調べ、

Google mapで、平塚駅からセレモニーホールまでの地図をプリントアウト、

婆様のSUICAの残額を確認し、チャージして3,000円使えるようにしておき、

婆様に行程表を渡し、当日、何時に自宅を出発して、何時のバスに乗って、首都圏路線図を指し示しながら、総武線から総武線快速、東海道線に乗り換えて下さいねと念を押す。

何せ平塚ですからね。首都圏を東の端から西の端まで横断する訳で、川崎よりも横浜よりも西寄りで、小田原、湯河原、熱海はすぐ先なんだから、ホントだったらお泊まりスケジュールですよ。

でも、まあ、当日は雨にも降られず、亡くなられた姉君ともお別れが出来て、久しぶりの姉妹親戚にも会え、ダンナの姉上のお陰で迷子にもならず、夕方無事に帰って来ました。やれやれ。

亡くなられた姉君という方は、年端も行かない頃から青果商店に奉公に出され(奉公というと江戸時代のことのようですが、実際には昭和初期の女の子は初等教育が終わるとすぐ奉公に出されてたそうです)、行儀見習いの他、お料理、裁縫、お花、お茶も習わせてくれるという触れ込みだったのに、忙しい商家だったせいもあって、実際は下女扱いで、朝は暗いうちから、夜もとっぷり暮れる頃まで一日中こき使われて、それは苦労なさったのだそうです。

幾ら何でも話が違い過ぎると親が不服を申し立て、姉君を家に連れ帰り、幼かった婆様はこれからは姉君と一緒にお裁縫教室に行けるのだと楽しみにしていたら、あっという間に縁談が決まってしまって、姉君は姉ケ崎(千葉の市原付近)にお嫁に行ってしまわれたそうです。

その後、間もなく太平洋戦争が始まり、姉君と一人娘を残して御夫君は南方戦線にて戦死。
何度か薦められた再婚を姉君は頑として受け入れなかったそうですが、今回の葬儀には姉ケ崎の御夫君の親族も参列されておられ、姉君本人の希望でお骨は御夫君の家のお墓に入るのだそうです。

姉ケ崎なんて遠い所のお墓に入っちゃうなんてと、婆様は寂しそうですが、一人娘もとうに嫁ぎ、姓が変わってしまっていることですし、亡き御夫君と一緒のお墓に入れるのなら、それで良いんじゃありませんか、と言ったら、

だって、ダンナさんのお墓って言っても、お骨は無いのよ、戦死通知と名前を書いた紙が入った白木の箱だけ帰って来たんだから。

…それでも、祭祀を引き継いでくれる子孫が居るお墓があるなら、そこにお入りになった方が良いと思います。それと、お遺骨が無くても、お墓が遠くても、今は居ない人を思い、忍ぶ気持ちがあれば、それだけで充分伝わると思います と生意気なこと言ったら、

そうねとしみじみ頷いておられました。

西方浄土で、姉君が御夫君と久方ぶりに再会しておられることを祈りつつ、合掌。


Comment

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お姑様、気落ちされたことでしょう。離れていても、心で通じ合いながら、一世紀近い年月を共にしてきたのですね。
義理の伯母様は娘さんを立派に育てられたこと、ご父君に報告していらっしゃるでしょうか。
御霊安らかに、お祈りいたします。
2009年09月04日(Fri) 21:41
>まさひまさま
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誰の人生もドラマチックで、かけがえのない奇跡の物語なのだと思わずには居られません。
温かいお言葉、痛み入ります。
何しろ80代、90代の親戚筋がまだまだ御壮健でいらっしゃるので、その下の、子供の代の一人としては、うっかり具合悪くもなれません。
(とはいえ、それでも私はかなり若い方ですが、60代の方々には冗談抜きで真剣問題のようです)
コメント有り難うございました。
2009年09月04日(Fri) 22:02












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